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200メートルは体力持たない?体力の付け方を解説

陸上競技をやっていない限り、200メートルという距離をなかなか走る機会はありません。

例え運動部に所属していたとしても、200メートルの走り方を知っていなければ最後まで体力が持たない状況になるでしょう。

当記事では、200メートルで体力が持たない理由と体力の付け方、練習方法について解説します。

この記事でわかること

  • 200メートルで体力が持たない理由
  • 200メートルを走り切る体力の付け方
  • 200メートルを早く走るための練習方法
  • 200メートル走でやってはいけない走り方
目次

なぜ200メートルで最後まで体力持たないのか?

陸上選手でも200メートルは後半失速してしまう

陸上短距離走では、200メートル競走において、たとえ熟練した選手であっても後半に速度低下が起こる現象が一般的です。

200メートルで体力が持たない原因は、走り始めの最大スピードへの加速フェーズ後、持久力の限界により速度が落ち始めることにあります。

競技者が60メートルから80メートルの区間で最大疾走速度に達した後、フィニッシュラインまでの間で速度が減少します。

200メートルにおける速度減少は、主にピッチの低下に起因し、ストライド(歩幅)はほとんど変化しません。

このため、200メートル後半の疾走速度の減少を抑えるためには、ピッチを落とさずに走り続けることが重要です。

参考 200m走パーフォーマンス分析

200メートルを最後まで走り切るには持久力が必要

200メートル競走を最後まで力強く走り切るためには、短距離走特有の持久力が必要です。

短距離走特有の持久力とは、高いスピードを維持する能力と言えます。

短距離走における持久力向上の鍵は、下肢や上肢の筋持久力、特に接地中に足首が発揮する力や、腿を後ろから前に引き出す股関節屈筋群の筋持久力の強化にあります。

さらに、短距離走のパフォーマンスを向上させるためには、持久力だけでなく、最大速度を高めるトレーニングも重要です。

最大スピードが高い選手ほど、最大スピード到達地点がスタートから遠くなり、減速区間が短くなるため、持久力が高いことが示されます。

後半失速しても最初から全力で走った方がタイムは良い

200メートル競走においては、レース後半での失速を覚悟の上で、最初から全力で走る戦略が一般的にタイムの向上につながります。

その理由は、前半に力を抑えても後半で取り返すことは困難であるためです。

たとえ後半にスピードが落ちても、前半での高い速度が全体のパフォーマンスを支えます。

実際、200メートル走では、全力で走り出し、その後の速度減少をいかに最小限に抑えるかが重要です。

このため、前半のスピードを適切に保ち、レース全体を通して高いスピードを維持することが求められます。

後半での失速は避けられない現象であり、それを最小限に抑えるためには、前半で可能な限り高いスピードを出すことが重要です。

200メートル競走における成功のカギは、初めから終わりまで全力で走り抜くことにあります。

200メートルで体力が持たない人が最後まで走り切るには?

200メートルを走り切るには速筋の能力を高める必要がある

200メートル競走を最後まで強く走り切るためには、速筋の能力を高めることが重要です。

速筋は、瞬発力が要求される活動において主に利用される筋線維で、大きな力を短時間で発揮するのに適しています。

200メートル競走のような短距離走では、速筋の能力が競技の成績に直結します。

速筋の能力を高めるためには、特定のトレーニングが有効です。

例えば、スプリントやショートインターバルの繰り返し、加速走などが挙げられます。

これらのトレーニングは、速筋を主に使うことで、その能力を向上させます。

また、速筋の筋力を高めるためには、ウエイトトレーニングやプライオメトリックス(爆発的な動きを利用したトレーニング)が効果的です。

速筋の能力を高めることによって、200メートル走の初期から中盤にかけての加速を強化し、最後まで速度を維持することが可能になります。

速筋の持久力を高めることができれば最後まで体力が持つ

200メートル競走では、速筋の持久力が最後まで体力を維持する鍵となります。

速筋は本来、短期間の力強い活動に適していますが、適切なトレーニングにより持久力を高めることが可能です。

持久力を高めるトレーニングとしては、反復短距離走やインターバルトレーニングが効果的です。

これらのトレーニングは、高い強度で筋肉を使い、短い休息期間を挟むことで、速筋のエネルギー回復能力と持久性を同時に鍛えます。

また、筋肉の疲労回復能力を向上させるためには、適切な栄養摂取や回復期間の確保も大切になります。

200メートルで体力が持たない人向けの体力の付け方

全力疾走で走る練習を徹底的に量をこなす

200メートル走において体力を向上させるためには、全力疾走を行う練習を多量にこなすことが重要です。

このトレーニングは、筋肉の速筋繊維を刺激し、短距離走で必要な爆発的な力とスピードを高めるのに役立ちます。

例えば、100メートルから150メートルの距離を全力で走る練習を、十分な休息を挟みつつ繰り返し行います。

この種類のトレーニングは、高強度の努力を要求し、運動後の疲労感が強いことが特徴です。

しかし、このような疲労を伴うトレーニングを重ねることで、筋肉の持久力と回復力が向上し、200メートル走におけるパフォーマンスの改善が期待できます。

息があがる状態で距離をこなす

200メートル走において持久力を付けるためには、息が上がる状態で距離をこなすトレーニングが効果的です。

このアプローチは、主に運動強度が高く、心拍数が大幅に上昇する状態でのトレーニングを指します。

例えば、200メートルから400メートルの距離を、限界まで速く走り、短い休息を挟んで再び走るといったインターバルトレーニングが適しています。

このトレーニングは、筋肉の酸素利用効率を高め、持久力を向上させることができます。

また、高強度の運動により心肺機能が強化され、全体的な運動耐久力が向上します。

身体が動かなくなる状態まで追い込む

200メートル走のための体力向上には、身体が動かなくなるほどの極限状態まで追い込むトレーニングが必要です。

このトレーニングは、身体を限界まで押し込むことで、筋肉の耐久性と回復能力を極限まで高めることを目的としています。

トレーニング例としては、短距離のスプリントを連続して行い、筋肉が完全に疲労するまで休むことなく続ける方法があります。

このようなトレーニングは、筋肉のエネルギー源であるグリコーゲンの消耗を促し、筋肉の持久力と回復力の向上に効果的です。

身体を極限まで追い込むことで、筋肉はより高いストレスに耐えられるようになり、200メートル走でのパフォーマンス向上が期待できます。

しかし、この種のトレーニングは高い強度を伴うため、適切な休息と栄養補給が必要です。

過度なトレーニングは怪我のリスクを高めるため、体調を常にチェックし、必要に応じてトレーニングの強度や頻度を調整することが重要です。

また、継続的なトレーニングには、適切な回復期間を設けることが不可欠です。

十分な休息を取ることで、筋肉はトレーニングの効果を最大限に引き出し、回復し、次のトレーニングに備えることができます。

200メートルで体力が持たない人の練習メニュー

スタートダッシュ

スタートダッシュは、200メートル走において初動のスピードを高めるために重要な練習です。

このトレーニングでは、スタートの姿勢から爆発的に加速し、10メートルから30メートルの距離を全力でダッシュします。

スタートダッシュの重点は、反応速度と初速の向上にあります。

定期的にこの練習を行うことで、実際のレースにおけるスタートの反応時間が短縮され、より速く加速することが可能になります。

加速走

加速走は、速度を段階的に上げていくトレーニングです。

この練習では、ゆっくりとしたスピードから始め、徐々に加速していき、最大スピードに達した状態を一定距離維持します。

通常、50メートルから100メートルの距離で行います。

加速走は、筋肉の連動性を高め、スムーズな加速力を養うために効果的です。

テンポ走

テンポ走は、一定のリズムや速度で走るトレーニングです。

この練習では、特定のペース(例えば、800メートル走のペース)を設定し、その速度を一定の距離(200メートルから400メートル)維持します。

テンポ走は、体のリズム感を高め、レース中のペース配分を改善するのに有効です。

スレッド走

スレッド走は、短距離走のスピードと持久力を同時に鍛えるトレーニングです。

この練習では、高いスピードで一定距離を走り、その後速度を落として回復走を行い、再び高速で走るというパターンを繰り返します。

例えば、100メートル全力疾走後に100メートルジョギング、これを数セット行います。

スレッド走は、レース中の速度変化に対応する能力を養います。

坂ダッシュ

坂ダッシュは、坂道を使ったスプリントトレーニングです。

坂道を上ることで、平地走行時よりも大きな抵抗に対して努力する必要があり、筋力と爆発力を向上させます。

坂道を全力で駆け上がり、下りは軽くジョギングをすることで、筋肉の負荷とリカバリーを交互に行います。

坂ダッシュは、特に脚力の強化と加速力の向上に効果的で、200メートル走におけるスタートの爆発力を高めるのに役立ちます。

マーク走

マーク走は、コース上に一定の間隔でマークを設置し、それらの間を変化するスピードで走るトレーニングです。

例えば、10メートルごとにマークを設置し、各マーク間は全力疾走、次のマーク間はジョギングといった具合です。

このトレーニングは、加速力とデセラレーション(減速力)の両方を鍛え、200メートル走におけるスピードの変化に対応する能力を高めます。

ウェーブ走

ウェーブ走は、速度の変化を取り入れた練習方法です。

このトレーニングでは、一定の距離を高速で走った後、速度を落として少し休息し、再び高速で走るというパターンを繰り返します。

この練習は、疲労状態からの回復能力を高めると同時に、速度の変化に適応する能力を向上させます。

セット走

セット走は、連続した走行と休息を組み合わせたトレーニングです。

一定の距離(例えば、200メートル)を設定し、その距離を数回連続して走り、その後に休息を取ります。

セット走は、持久力とスピードの両方を同時に鍛えることができ、200メートル走の総合的なパフォーマンス向上に効果的です。

オーバースピードトレーニング

オーバースピードトレーニングは、通常よりも高い速度で走ることを目的としたトレーニングです。

坂道の下りや風の後押しを利用することで、自然な走行よりも速い速度で走ることが可能です。

このトレーニングは、脚のターンオーバー速度(脚の動きの速さ)を向上させ、レース中の最高速度の向上に貢献します。

インターバル走

インターバル走は、高強度の走行と短い休息期間を交互に行うトレーニングです。

例えば、200メートルを全力で走り、その後1分間の休息を挟み、これを数セット繰り返します。

インターバル走は、持久力とスピードスタミナを同時に向上させ、200メートル走の耐久力とスピード維持能力の強化に効果的です。このトレーニングは、高強度での運動に続く短い回復期間が、レース中の疲労と回復のサイクルを模倣し、身体をレースの厳しい条件に慣れさせます。

インターバル走により、運動中の酸素供給能力が向上し、200メートル走の後半部分でのスピード低下を最小限に抑えることができます。

200メートルで体力が持たない人がやりがちな失敗

上半身を前傾しすぎている・後継しすぎている

200メートル走において体力が持たない選手が陥りがちな一つの誤りは、上半身を過度に前傾させたり、逆に後傾させすぎたりすることです。

適切な走行姿勢は、上半身がほどよく前に傾いている状態ですが、これを過剰に行うと走行効率が低下します。

上半身を過度に前に傾けると、重心が前に移動しすぎ、脚の動きが制限されるため、効率的な走りができなくなります。

一方で、上半身を後ろに傾けすぎると、重心が後ろに偏り、前方への推進力が弱まります。

これらの姿勢は、特にレースの後半に疲労が蓄積すると現れやすくなり、結果として余計な体力を消耗してしまいます。

地面を強く蹴ろうと意識しすぎる

200メートル走においてもう一つの一般的な誤りは、地面を強く蹴ることに過度に焦点を当てることです。

確かに、地面を強く蹴ることは重要ですが、それに過度に集中すると、リラックスした走りができなくなり、筋肉の緊張が高まります。

これにより、スムーズな脚の動きが妨げられ、エネルギー効率が低下し、疲労が早まります。

特に、スタートと加速段階で地面を強く蹴ることに意識を集中しすぎると、レースの後半でのパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があります。

効率的な走りとは、地面を強く蹴ることとリラックスした身体の動きのバランスを取ることです。

このバランスを適切に保つことで、200メートル走を通して一定のスピードと体力を維持することができます。

まとめ

  • 200メートル走で体力が持たない原因は、持久力の限界による速度低下
  • スタートダッシュの練習は反応速度と初速の向上に役立つ
  • 加速走は段階的な速度上昇を通じて筋肉の連動性を高める
  • テンポ走は一定のリズムや速度で走ることでペース配分を改善
  • スレッド走は高速と低速を交互に行い速度変化への適応を促す
  • 坂ダッシュは坂道を使い筋力と爆発力を強化する
  • マーク走はマーク間で変化するスピードで走る
  • ウェーブ走は速度変化を取り入れた練習で持久力を高める
  • セット走は持久力とスピードの両方を同時に鍛える
  • オーバースピードトレーニングは自然な走行より速い速度で走る
  • インターバル走は高強度走行と短い休息を交互に行う
  • 上半身を前傾しすぎたり後傾しすぎるのは効率的な走りに悪影響
  • 地面を強く蹴ろうと意識しすぎるとリラックスした走りができない
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